地植えの坪庭 家の竣工当時の状態

地植えの坪庭:道路に面した庭づくりの注意点

新築一戸建ての庭づくりで注意したいこと3つ

坪庭のためのスペースは、家の西側にあり、人通りの多い4m道路に面しています。面積にして約10m2、およそ3坪くらいの広さを確保していましたが、実際には予定した1/3の大きさの庭になってしまいました。地植えの庭を自分でプランニングするときにありがちな失敗としてまとめています。

地植えの坪庭 家の竣工当時の状態
道路に面した地植えの庭スペース。長辺が550cmあり道路から建物までの距離は約180〜250cm、面積はおよそ10m2。

なんとか捻出した庭用の小さな敷地を、さらに小さくすることになってしまった原因は次の3つです。
1:家の周囲に配管があり、地面を掘って土を入れられなかったこと
2:家の間取りが決まった後に駐輪場を追加したこと
3:路盤材(写真の白い砂利)が固まり、地面をスコップで掘れなかったこと

どれも新築一戸建ての現場では起こりがちなことです。とくに家のアプローチや道路沿いには多数の配管が集中します(1)し、車や自転車が出入りするための動線(2、3)も必要です。こうした要素が庭づくりと干渉しないように、あらかじめ良く外構プランを練るためには、「散水栓の位置を固定する前に庭づくりをスタートする」ことが一つのポイントかなと思います。

地植えの庭づくりでは散水栓の位置決めが重要

時間も予算も限られる家づくりの工程では、家の建築が最優先です。普通は「家の間取り→配管→外構→庭」の順番で検討をすすめますが、実は順番が逆なんじゃないかな、と家づくりを経験してしみじみ思いました。とくに道路に面した家のアプローチ(塀・庭・駐車場・駐輪場・勝手口・物置など)の外構デザインは、完成後の家の住みやすさ・暮らしやすさを決めるといっても過言ではなく、今となっては「家づくりよりも先に外構づくりから考えたほうが良かった」とさえ思っています。

その重要な外構のなかで、庭も大事な役割を担っています。
家の掃き出し窓から見える外の風景を素敵なものにしたり、道路からの人目や音を遮る目隠しの役割をしてくれたり……。こうした風景・目隠し・防音としての庭は、植物を地植するからこそ実現できるとも言えます。植木鉢では大きな樹木を植えることは難しいですから。とにもかくにも、外構のデザインと地植えの庭づくりは表裏一体です。

まぁ現実的に、家の間取りを決める前に庭の詳細を考える事は難しいのですが、「散水栓の位置決めを業者任せにしない」ことは絶対におすすめできます。家を建て始めると水道業者さんの配管プランも固まります。そこで散水栓の位置を勝手に固定されてしまうと、家のアプローチをデザインする際の自由度がかなり低くなります。散水栓の位置がまだ変更できるタイミングで現地打ち合わせをすれば、配管の位置も確認できますし、実際にどこからどこまで庭になって植物を何本くらい配置できるのか具体的にイメージできるようになります。

すると、家と道路の境界をどこからどこまで囲うのか、どんな種類の塀でどのくらい目隠しするのか、フェンスメーカーはどこに決めるのか、なども検討しやすく、難しい外構デザインについても後悔が少ないのではと思いました。

地植えの庭づくりは地盤の改良からはじまる

もともと「庭づくりは自分でやる」と覚悟していたのですが(庭まで外構業者に頼む予算がなかったので)、家の周囲にはりめぐらされた配管や、地面に撒かれていた固い路盤材の存在によって、地植えの庭づくりは地盤改良からはじまることに気づきました。

コンクリを砕いたような白い路盤材は、家の新築工事が始まる時に運び込まれました。工事車両が道路から出入りしやすくするためか、足場固めかぬかるみ対策なのか、樹木を植える予定の敷地にも撒かれてしまいました。この路盤材、足や雨水でだんだん締め固められる特徴があるため、家の建築工期が終わるころにはもうドリルを入れないと砕けないほど硬くなっていました。

素人のスコップではとても掘れないので、土を入れて樹木を植栽することができません。
幸いにも、このあと外構工事業者さんに高塀を設置してもらう予定があったため、ついでに地面をドリルで耕してもらい、家の周りのグラウンドレベル(地盤の高さ)を調整するために持ち込まれた土を庭にも少し投入してもらうことができました。

結局、ついでに頼む作業量には限界があり、掘り返してもらえた地面は半分くらいで、約3坪あった庭用スペースのすべてに土を入れられたわけではありません。でももし外構工事がすべて終わったあとだったら、植物を植えることなくロックガーデンになっていたかもしれないと思います。まだ散水栓が移動できる時期に配管や路盤材の存在を認識できたのでよかったなと思います。

家の間取り並行して駐輪場や倉庫やゴミ置き場も

また、家が建ち始めてから「自転車3台停められる駐輪場が欲しい」と家族が要望してきたのですが、これは完全に失敗でした。もっと早く言って欲しかったけど、みんな「外構は家が建ってからで間に合う」という発想があるんだと思います。そして「庭があるじゃん、ここにつくれるじゃん」と庭用スペースがターゲットに……泣く泣く庭を削って駐輪場に変更しました。

やっぱり「家の間取り→外構→庭づくり」という順番では、庭づくりにしわよせがくるなぁというのが実感です。庭は贅沢なスペースではありますが、暮らしやすさや楽しさに直結する家づくりの大切な要素です。たとえ3m2の小さな坪庭でも。

もしもしまた家を建てる機会があったなら、最初に「庭(窓からの眺めや庭での過ごし方を考える)」、次に「外構(道路や日当たり、家の出入りなど外部との接点を考える)」、最後に「家の間取り(家の中身を決める)」という順番でプランニングしたいです。

以下のイラストは予定していた坪庭プランと、変更後の実際の坪庭プランの比較です。配管や駐輪場、そして固い路盤材の存在によって、庭と塀のつくり方が大きく変わってしまったことがわかります。

青は家、グレーの点線は敷地境界、緑の実線は坪庭の高塀です。配管はイメージ。

庭に面した4m道路は人通りが多いため、掃き出し窓の前の目隠しを兼ねて坪庭スペースにしました。道路との境界には高い塀(高さ180cm)を設置していますが、完全には囲っていません。人や車や自転車が出入りするところには塀やフェンスを設けませんでした。いわゆるセミクローズドな外構プランです。

このつづきは、以下のページで紹介します。

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