庭木の引越し・庭木の里親

古い家の解体前に庭木の引越し業者を探す

古い家の解体とともに敷地に植えていた樹木は伐採されて処分されてしまいます。なるべく庭木を処分せずに新しい庭へ移植したいと思い、古い家の解体工事が始まるだいぶ前から植木の「掘り上げ作業」「長期保管」「新築後の植栽作業」をお願いできる業者を探しました。

近所の植木屋は、庭木を掘り上げることはできても長期保管ができません。東京の業者ではまず保管スペースがとれないため、結局千葉方面で大型の樹木を植木鉢ごとリースするような仕事もしている植木屋に依頼しました。古い家の解体前(掘り上げのため)と新しい家の新築後(移植のため)の2回、大型のトラックで来てもらいました。

しかし、これは事前に教えてもらったのですが「庭木を移植するとかなりの確率で枯れてしまう」とのことでした。

古い家で大きく育ったティーツリー。栽培は簡単で丈夫ですが、水切れに弱く掘り上げると根から枯れるリスクが高いです。

不思議なもので、植木屋さんの育てていた植物を購入して植栽する分には、季節にかかわらずその後も順調に育つことが多いです。もともと移植を前提としてプロが育てていた庭木は、きちんと管理され根巻きなどもしているからだと思います。

しかし家の庭に地植えしていた植木は、掘り上げるときに地中に伸びた根を大胆に切らなければなりません。すると数ヶ月たってから枯れてしまうことも少なくないのです。これは掘り上げる季節や樹木の種類や状態にもよりますが、移植のために根を切ることは植物に大変な負担がかかることを意味しています。

実際、放任で育つほど丈夫だからとたかをくくっていたティーツリーは、移植した後にすべて枯れてしまいました。樹高が数メートルまで伸びていたので幹や葉を支える根も長く伸びていたようで、それを短くカットしたため水が十分に吸収できなくなり体がもたなかったのです。ごめんね、ティーツリーたち。

地植えの坪庭に移植したティーツリーとオリーブ

ティーツリーは枯れてしまいましたが、オリーブは移植後も元気です。以前、オリーブの幼木を自分で植え替えたときは枯れそうになってしまったので、樹の大きさや掘り起こし方などプロにお願いしたから助けられた樹もあったのだろうと思います。

移植の負担を減らすために大胆に剪定されたティーツリーとオリーブ。

植木業者は「植木の引越し」や、自治体の「植木の譲渡サービス」などの検索ワードで探しましたが、あとになって「植木の里親代行」をしている会社も見つけました。新しい庭木を買う予算があるなら、自宅の庭木を里親に出しても良かったかもしれません。でも掘り上げるときに根を切らなければならないのは同じなので、枯れるリスクの高い庭木は引き取ってもらえないかもしれませんね。

ティーツリーのほかに、大きく育っていたいぬつげと金木犀も、移植はしたものの枯れてしまいました。これは植木業者が事前に庭木の状態を見たときに伝えてきた予想と、ほぼ合致しました。結果だけみると、それらの木は掘り上げずに家の解体とともに伐採して処分しても同じでしたが、そんな風には割り切れないものがあります。

掘り上げ後に大型植木鉢に移され、業者が長期保管した後、帰ってきた庭木。奥の茶色の樹がいぬつげ。

なかには過酷な庭木の引越しに耐え抜いてくれた樹木もあり、さざんか、南天、柊南天、シュロ(和ジュロ)、きんかん、あじさい、そしてオリーブが新しい庭でも育ってくれています。


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