東京で家を建てる、小庭をつくる

ここは東京のなんてことはない普通の住宅街。家を建て替える以前は雨漏りがする古い一軒家に住んでいて、その裏庭を趣味の畑にして、無謀にも枝豆やトマト、にんにくなどの実物を育てていたことがあります。
雑草を刈り、土を耕し、種を蒔き、水をやり、週末がくるたびに、植物を美味しく育てることがどれほど大変か思い知りました。

もし冬に植物を枯らしてしまったら、その失敗は、次の冬がこないと取り返せません。
春夏の植物の成長は目覚ましく、それは来年の春夏がくるまで見ることは叶わない。
田畑で農植物を育てるって、ほんとうに、大変ですね。農家や農作業のすごさの一端がわかったような気になりました。

結局、ずぼらな性格も手伝って裏庭の即席畑はワンシーズンでおしまいとなり、裏庭は荒れた空き地に戻ってゆきました。こんなふうに。

昔の家の裏庭。いろいろな野良猫さんが訪れてくれました。

これはこれで、空き地としては素敵でした。
多種多様な雑草や小さな花や実があふれ、黒猫、白猫、まだら猫がたくさん来てのびのびとしていました。両腕にかかえるくらいの大きな猫じゃらしの草束もすぐに作ることができました。

しかし年に数回の雑草刈り作業の負担は大きく、腰も痛くて長くは続けられません。
当時の古い家には裏庭のほうを向いた窓が無かったので、庭を眺めたり、コーヒーを飲んだりする楽しみもありませんでした。野良猫はただただ可愛いかったけれど、人間にとっては雑草を刈るためだけにあるような空き地でした。

それで雨漏りする古い家を建て替えることになったときは、掃き出し窓に面した小さい庭を2つつくろう、と決めました。

土間コンクリートの小庭と、地植えの坪庭

小庭を一つではなく二つつくったのは、土間コンクリートの小庭と、地植えの坪庭、どちらも捨てがたかったからです。これは家を新築してまもない頃の写真。この状態から小さな庭づくりを楽しんでいます。

土間コンクリートの小庭

土間コンクリートの十センチ先までが庭。緑の空き地はよその敷地で、そのうちアパートが建ちます。

地植えの坪庭

道路に面したじゃりの部分が庭。地植えの坪庭づくりは整地するところからスタートです。

この土間コンクリートの小庭にも、地植えの坪庭にも、いずれ隣接する敷地との境界に高い塀を設ける計画です。
東京ではクローズドな庭づくりをしないと、外からの視線を気にせずに庭でコーヒーを飲むことができません。目隠しとなる高塀は、家が建つと同時に完成しているのが理想でしたが、この時点では塀に回せる予算がなく、後で追加してゆきました。

理想とする里山に開かれた「借景」の庭とは真逆のような庭ですが、それはそれとして、クローズドな小さな庭の良さを味わっていこうと思います。

それぞれの庭づくりの工程はこちらで紹介しています。
土間コンクリートの小庭づくり ≫
地植えの坪庭づくり ≫


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